好みは人それぞれ、感受性は人それぞれ、刺さるポイントも人それぞれ。
そういった前提のなか私が視聴したなかで良かったと思う推したいアニメ作品を紹介。
当ブログはお金や投資の考え方をメインとして発信していますがエンターテイメントへの投資は自分の生活を豊かにする手段なので自身への良い投資といった考えのもと発信しています。
結論:素晴らしいアニメーション作品
結論から言うと視聴した後にヴァイオレットエヴァーガーデンは私の中で大好きな作品で大切なアニメ作品になりました。
ヴァイオレットエヴァーガーデンで検索すれば「泣ける」というワードを散見されるでしょう、実際に私もボロ泣きしました。
泣ける=良い作品という枠組み…というか決めつけというのはやや安直かな?とも思わないでもないです。
製作所の意図が「こんな展開にすればお涙頂戴でいい感じのストーリーだろ」といった思惑が感じられる作品もない訳ではないですし。
一方で人が泣けるというのは自身の感情が揺さぶられた証拠、物語のキャラクターに共感している事でもあります。
ヴァイオレットエヴァーガーデンはキャラクターの心象風景を繊細に丁寧に描いているので視聴者に伝わりやすいのだろうなと。
その細やかな表現の積み重ねに人が心を打たれ感動する作品なのだと思います。
そして良い物語を素晴らしい作画で表現されていてキャラクターの絵や動きのみならず風景なども素晴らしいです、アニメーターさんに感謝。
またヴァイオレットエヴァーガーデンの伝えたいテーマというのが「人と人を繋ぐ」という事なのだと感じました。
あらすじ
※http://tv.violet-evergarden.jp/story/#01 左記オフィシャルサイトより
感情を持たない一人の少女がいた。
少女は戦うための「道具」として生きていた。
名はヴァイオレット。時は流れ戦争は終わり、新たな時代が始まろうとしていた。
戦地で傷ついたヴァイオレットはベッドの上で目を覚ます。
白くなめらかな両腕は、砲弾を受け銀色に輝く義手に替わっていた。
彼女に残されたものは、戦場の記憶と上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア少佐〉が
最後に告げた言葉だけ。
だが、その言葉の意味をヴァイオレットは理解できずにいた。そこへ、一人の男が現れる。元陸軍中佐のクラウディア・ホッジンズ。
ホッジンズはギルベルトに代わって彼女を迎えに来たと言う。
二人が向かうのは南部の港町・ライデンシャフトリヒの首都、ライデン。
活気あふれる人々、美しい港の風景、ライデンの街はヴァイオレットを迎え入れる。新しい街でヴァイオレットは「自動手記人形」に出会う。
それは、依頼主の気持ちを言葉に代えて手紙に綴る仕事。
時には依頼主が胸のうちに秘めた想いさえもすくい取る。ギルベルトがヴァイオレットに残した言葉―――「愛してる」
「自動手記人形」になればその意味がわかるかも知れない。――「愛してる」が知りたいのです。――
それは、感情を持たず戦うための「道具」として生きてきたヴァイオレットが、
初めて示した意志だった。
この作品の監督である石立太一さんが主人公のヴァイオレットを「愚かしいほどの実直さ、透明ではなく白」と評していらっしゃるのですが最後まで見終わった時に確かに、まっさらなキャンバスに色を付けていく、彩りを与えていく物語なのだなと私は感じていたのでもの凄く腑に落ちた感じがした記憶があります。
1話のヴァイオレットは何も持っていないのですが最終話ではやや硬さはあるものの精神面では大きく得たものがあり、そしてヴァイオレットの周りの人たちもヴァイオレットから多くのものを与えられていたよう。
※オフィシャルサイトより引用 http://tv.violet-evergarden.jp/character/
舞台風景
作品の時代背景は現代でいうとイメージとして第一次世界大戦が終わった頃のヨーロッパのような感じでしょうか。
戦後で一旦の平穏が訪れていて世間の人が日常生活を新たに組み立てていく中でヴァイオレットが勤めるC.H郵便社がその世間の人と人を繋ぐ役割を果たしているという位置付け。
文字の読み書きが出来ない人が結構いるという世界観でその中で代筆を行う自動手記人形サービス(通称:ドール)という存在が依頼者の意図を汲み取って手紙を書いて人の想いを届けるという役割を担っているという舞台風景。
となるとドールが依頼人から聞き取りしたうえで本当に伝えたい事を吸い上げて手紙として文字に起こす…現代の日本の価値観からするともの凄い回りくどいとも言える手段です、ただこれを改めて考えてみると如何に人間が本音と建前を使い分けているというのが分かりますね。
日頃の生活で如何に本音を建前で繕って生活しているというのを痛感してしまって軽いダメージを受けてしまったかも(笑)。
あらすじの部分でも触れているように感情を持たない少女、ヴァイオレットがこの本音と建前を切り分けて人に伝えるという作業に最初はもう絶望的に向いていません。
建前だけを伝えて相手がズタボロになるという描写もあります(笑)、なんともいたたまれない…。
「愛してる」を知りたいヴァイオレット
ヴァイオレットは戦うスキルにおいて天賦の才があって戦場において殺りく兵器として扱われていました。
そんな孤児であったヴァイオレットを親代わりとして保護したのがギルベルト・ブーゲンビリア。
※オフィシャルサイトより http://tv.violet-evergarden.jp/character/
このギルベルトの存在がヴァイオレットの世界にとって全て。
全てを表現しなくても想像で補完するという事があってもいいじゃない…(‘ω’)
曲
劇中で使われている曲が作品のイメージに合っていて良いです。
オープニング曲がTRUEさんの「Sincerely」。
Sincerelyは英語の手紙で結びの一言でよく使われる単語ですね、日本語的には「敬具」や「かしこ」に相当するニュアンスです。
また「心から、本当に」という意味もあって8話でギルベルトがヴァイオレットに「心から…愛してる」という言葉を伝えるシーンがあります、ここに掛かっているのかな?とも個人的に思ったりもしました。
ヴァイオレットが手紙を書く事を通じて感受性が成長していくので「Sincerely」という曲はピッタリ。
TRUEこと唐沢美帆さんは作詞家でSincerelyも作詞されています。
歌唱力はもの凄くて正直、音源よりも生歌の方が凄いという…以下の動画の歌唱力が素晴らしいです。
もっと評価されて売れて欲しいな~と思うアーティストさんの1人ですね。
アニソンを中心に作詞提供を行っていらっしゃいます、作詞の才能もあって歌もここまで上手くてマルチな才能で凄くて普通にファンになりました。
エンディング曲は茅原実里さんの「みちしるべ」。
茅原さんは作中でもエリカ・ブラウンのCV(キャラクターボイス)を担当されています。
※オフィシャルサイトより http://tv.violet-evergarden.jp/character/
茅原さんは「涼宮ハルヒの憂鬱」で長門有希役を演じた事で有名ですしアニメファンなら有名な声優さん。
オープニング曲・エンディング曲ともにヴァイオレット・エヴァーガーデンの世界観を表すのに不可欠な作品に寄り添った歌詞な内容となっています。
第5話のエピローグ付近でかかる「みちしるべ」にはグッときました。
声優さん
ヴァイオレット・エヴァーガーデン:石川由依さん
石川さんは進撃の巨人でミカサを演じられています。
ミカサとはだいぶ…役柄が違いますが(戦闘力が高いのは共通ですけど)素晴らしい演技を魅せてくれます。
ヴァイオレットは比較的後半まで感情の起伏がそこまでないキャラクターなので演じる側としては難しいんだろうなあと素人ながらに思ってしまうのですがキチンと視聴者に伝わっている(少なくとも私には)のが凄いと感じます。
クラウディア・ホッジンズ:子安武人さん
子安さんは銀魂で高杉役、ジョジョの奇妙な冒険でのディオ役ほか多数のアニメ作品で拝見します。
子安さんが演じたキャラクターで個人的に好きなのが「SHIROBAKO」で演じた枕田というキャラクター、イイ声でおっぱい言うのがめっちゃ面白かった…。
個人的にもすごい好きな声優さん、声がもうカッコいいし。
ホッジンズはヴァイオレットの親のようなポジションでやや浮世離れしたヴァイオレットを優しく見守るポジションの演技がとても素敵。
個人的に好きなシーンが9話の最後のセリフ「してきた事は消せない…でも__でも!君が自動手記人形としてやってきた事も消えないんだよ」という言い回し。
ギルベルト・ブーゲンビリア役の浪川さんやカトレア・ボードレール役の遠藤綾さん、ベネディクト・ブルー役の内山昂輝さんなどヴァイオレットの周辺のキャラクターを演じる方々の演技も物語を引き立てています。
何というか…「声優さんってスゲーな!」と思わざるを得ない(‘Д’)
最近は声優さんがテレビに出る事も多くなり以前はやや日陰的なポジションだったのが顔出しで注目されるようになってきています。
顔出しの活動に賛否あるでしょうが私的には活躍の場を広げていって貰いたいなあと思ったりしますね。
好きな話数
おそらく一番人気は10話なのだと思います。
今まで心が動かなかったヴァイオレットの心情が手紙を書く事で人と接する事で変わっていく事が一番顕著に表現されたところなので確かにぶっちぎりで泣けます。
自分が亡くなった後も娘のアンの誕生日に毎年手紙が届けるためにヴァイオレットに代筆を頼むというお話。
この作品のファンの方は「10話」というワードだけで泣けるという人もいるそうで(笑)、気持ちは分かります(*’ω’*)
7話の劇作家:オスカー・ウェブスターから代筆依頼をヴァイオレットが受けるお話も大好きで、この話数のオスカーとヴァイオレットに以下のやり取りがあります。
※ヴァイオレット・エヴァーガーデン7話より
オスカー:「なあ…どう思う?面白いか?」
ヴァイオレット:「なんというか…」オスカー:「なんというか?」
ヴァイオレット:「本当の話ではないのに…自分が体験しているようです』ヴァイオレット:「自分が…このオリーブという少女と同じように…喜んだり、悲しんだり、不安になったりするのは…どうしてなのでしょうか?」
オスカー:「それは、君が主人公と――オリーブと同じ気持ちになってくれてるってことだよ」
こういったやり取りに触れるなかで感情のなかったヴァイオレットが素敵な手紙を書けるようになって感情も少しづつではありますが豊かになっていくわけです。
また7話繋がりで言うと7話に限らずではありますが背景の絵の綺麗さが凄いです、アニメーターの方の力量が凄いという事なのでしょうね。
明るい背景も綺麗なんですが夜の風景も凄く綺麗で京都アニメーションさんの実力の凄みが極まっています。
※ヴァイオレット・エヴァーガーデン7話より
作画が凄い。1枚のカットでも感銘を与えてくれるアニメーターさんに感謝。
そしてこのヴァイオレットとオスカーのやり取りがまさにエンタメの楽しみ方なのだろうと思いますしヴァイオレットに私たちが共感できるから「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品に魅了されるのだろうなと思うのです。
個人的な好きな話数は5話の王女:シャルロッテの恋文のお話。
シャルロッテ(CV:中島愛さん)が想いを寄せているダミアン王子(CV:津田健次郎さん)の代筆をヴァイオレットが請け負うのですが直接王女が書きましょうとヴァイオレットが提案します。
今まで命令がある事でしか動けなかったヴァイオレットが自分から提案してシャルロッテに「直接自分の言葉で手紙を書くべき」と言う点とシャルロッテの宮廷女官であるアルベルタとのやりとりの描写が本当に素敵です。
後半にいくに従ってヴァイオレットが色んな感情が分かるようになっていきます、そしてその感情が爆発したのが10話の最後に見せる涙なのでしょうね(7話の時点でもヴァイオレットは涙していますが)。
また最終話の13話でギルベルトの兄:ディートフリートの「あいつ(ギルベルト)の分もお前は生きろ!生きて生きて…生きて…そして死ね。これが俺からの最後の命令だ。」のセリフに対して「もう…命令は要りません。」と一礼するヴァイオレット。
最初の頃は「命令をください」と言っていたヴァイオレットが「命令は要りません」という対比。
そして13話の最後にヴァイオレットがギルベルトへ宛てた手紙を読んでエンディングへ向かうところで最初は”愛してる”が分からなかったヴァイオレットが「私は今…”愛してる”を__少しは分かるのです」と言う対比。
※ヴァイオレット・エヴァーガーデン アニメ13話より
1話から見てきた視聴者からするとヴァイオレット・エヴァーガーデンという女性の変化・成長に心打たれざるを得ないのです。
そしてそれらの基盤を作っているのが制作会社:京都アニメーションのスタッフさん達です。
京都アニメーション
京都アニメーションが制作されていますが業界を代表するアニメ制作会社。
2019年7月に思い出したくもない痛ましい放火事件があり、その影響で劇場版の上映に遅れが発生しました。
そしてヴァイオレット・エヴァーガーデンに携わっていた方も被害に遭われました。
募金やグッズを買って応援はしているものの亡くなった方の命は帰ってきません。
京都アニメーションの好きな作品に「日常」「氷菓」「響け!ユーフォニアム」「たまこまーけっと」「小林さんちのメイドラゴン」などがあります。
エンタメを提供している方々全般を私は凄い人たちだと尊敬しているので、そういった貴重な技術を持ってらっしゃる方々がいなくなる事が大変痛ましいしアニメ業界にとって大きい損失でしかありません。
個人が出来る事に限りがあるのは重々承知しているのですが今後も何かしら応援していきたいと考えています。

京都アニメーション製作オリジナルグッズのオンラインショップです!…
他に関連グッズとしてオフィシャルな公式設定集もあります、登場頻度が高くないキャラクターについても細かく設定があって舞台背景も楽しめる作りに。
また原画コレクションなるものもあり、Vol1~2+線画集が販売されています、上記のTシャツの原画も収められています。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン Keyframes Collection vol.1
ヴァイオレット・エヴァーガーデン Keyframes Collection vol.2
ヴァイオレット・エヴァーガーデン KAエスマ文庫CM 線画集
アニメーターさんの原画を拝見すると想像していたよりも迫力があるものなので是非見て欲しい、色が付いていないのですがオリジナルの凄みというのでしょうか…上手く言葉で説明できないのですが凄いです。
泣かそうとしているという(一部の)批判
アニメ作品に限らず、多数の人が存在する以上多数の価値観があるのが当たり前だと思っているので批判というか「ココは好きじゃないな」とか思う部分はあっても仕方が無い事です。
みんなの意見が一緒だと気持ち悪いですし(ただそれを利用して特定の個人や人格を攻撃するのはやってはいけない事です)。
一部の批判…というか意見で「意図的に泣かそうとしている」といったものがありました。
個人的に「あ~なるほど、そういう考えもあるのか」と思いましたが私は割合先入観を持たずにこの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を見て京都アニメーションさんの作画の素晴らしさや声優さんの演技、物語の内容がとても好きだと感じたので「泣かそうとしている」というのがよく分からなかったのですけどね。
SNSの普及で価値観がゼロか100か?で言われがちですが中間の意見もあると思うのでヴァイオレット・エヴァーガーデンに限らずエンタメ作品は先入観なしで見て人の意見は人の意見で尊重しつつ自分の感じ方を大事にした方が楽しめるし、自分自身の人生への投資といった意味合いで彩りになると思っています。
たまに見かけるのですがエンタメ作品に対して現代の価値観を持ち込む人がいて個人的にはあれは作品に対する冒とくだなあと思ってしまいます(あくまで個人の意見ですよ)。
それやり出すとエンタメ自体が楽しめなくなってしまうので斜から見て作品を見るのではなく見る側も「まっさらな状態」で見た方がエンタメを楽しめると思いますね(*’ω’*)
視聴環境
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは配信サービスだとNetflicks(ネットフリックス)でしか視聴できません。
私はこの作品を観る為だけにNetflicksに加入、Netflicksはオリジナルコンテンツも充実しているので配信サービスの中では頭一つ他のサービスよりも抜けている感じはしますので1ヶ月だけ入るというのも良いと思います。
DVD・ブルーレイが販売されているのでこちらで視聴というのも良いです、私も購入しました。
まとめ
京都アニメーションの素晴らしい作画、声優さんの演技、シナリオ、テーマ曲と見どころはたくさんあります。
とにかく見て欲しい。